住宅ローン完済後の抵当権抹消、自分でできる?費用と手順

お知らせ

抵当権抹消は自分でできる?費用と手順

結論

  • 住宅ローンを完済しても、抵当権は自動では消えません。ご自身で抹消登記を申請する必要があります。
  • 手続はシンプルなため、ご自身で行うことも可能です。登録免許税は不動産1つにつき1,000円です。
  • ただし、住所が変わっている、書類を紛失した、完済から時間が経っているといった場合は手続が複雑になるため、専門家への依頼がおすすめです。

こんな方は要注意です

  • ローンを完済したときに銀行から届いた封筒を、開けずにしまっている
  • 完済したのはずいぶん前で、書類がどこにあるか分からない
  • 家を買ったあとに引っ越しをした(登記上の住所が古いまま)
  • 近いうちに家を売る、または住み替えを考えている

抵当権抹消登記とは

住宅ローンを借りる際、金融機関は自宅の土地と建物に「抵当権」を設定し、その内容が登記簿に記録されます。ローンを完済すると抵当権は消滅しますが、登記簿の記録は自動では消えません。

登記簿に抵当権が残ったままでも、日常生活で困ることはありません。しかし、次のような場面で支障が出ます。

  • 自宅を売却するとき(買主は抵当権のない状態での引渡しを求めます)
  • 自宅を担保に新たな借入れをするとき
  • 所有者が亡くなり、相続の手続をするとき

放置するとどうなる?

1. 書類の期限切れや紛失

金融機関から受け取った書類には、早めの申請を前提としたものが含まれます。時間が経つと書類の再発行が必要になることがあります。

2. 金融機関の合併や名称変更

金融機関が合併したり名称が変わったりすると、追加の書類が必要になり、手続が複雑になります。

3. 相続が発生して手続が増える

所有者が亡くなると、一般的に相続登記を先に行ってから抹消登記をすることになり、手間と費用が増えます。

完済後、書類が届いたらできるだけ早く手続を済ませることをおすすめします。

金融機関から届く書類

完済後1〜2週間ほどで、金融機関から次のような書類が届きます。

書類 内容
解除証書(または弁済証書) 抵当権が消滅したことを証明する書類
登記識別情報通知(または登記済証) 抵当権を設定したときに金融機関に交付された書類
委任状 金融機関が他人に手続を任せる旨の書類
金融機関の資格証明書等 金融機関の代表者を証明する書類(会社法人等番号で代える場合もあります)

上記のうち「登記識別情報通知(または登記済証)」は、紛失すると再発行ができません。届いた書類は封を開けて内容を確認してください。

自分で手続する場合の流れ

  1. 書類の確認:金融機関から届いた書類がそろっているか確認します。
  2. 登記事項証明書の取得:法務局で登記簿を取得し、抵当権の内容、物件の地番・家屋番号、登記上の住所を確認します。
  3. 申請書の作成:法務局のホームページに様式と記載例があります。
  4. 法務局へ提出:不動産の所在地を管轄する法務局に、窓口・郵送・オンラインのいずれかで申請します。
  5. 完了の確認:約1〜2週間で登記が完了します。登記事項証明書を取得し、抵当権が抹消されているか確認しましょう。

つまずきやすいポイント

  • マンションの場合:建物と、その敷地の土地(敷地権)が複数の筆に分かれていることがあり、不動産の数え方を間違えやすくなります。
  • 住所が変わっている場合:登記上の住所と現在の住所が違うと、抹消登記の前に住所変更登記が必要です。

費用の目安

【モデルケース】一戸建て(土地1筆・建物1棟)の抵当権を抹消する場合

項目 ご自身で手続 司法書士に依頼
登録免許税(1,000円×2個) 2,000円 2,000円
登記事項証明書等の実費 約1,000円 約1,000円
司法書士報酬 ― 22,000円
合計 約3,000円 約25,000円

登記上の住所が変わっている場合は、住所変更登記の費用(登録免許税1,000円×不動産の数、当事務所報酬16,500円)が加わります。

※報酬は消費税込みです。詳しくは報酬・費用をご覧ください。

司法書士への依頼がおすすめのケース

  • 引っ越しや結婚で、登記上の住所や氏名が変わっている
  • 金融機関から届いた書類を紛失した
  • 完済から何年も経っており、金融機関が合併している
  • 所有者がすでに亡くなっている
  • 平日に法務局へ行く時間がない
  • 自宅の売却や借換えと同時に手続をしたい

よくある質問

Q. 祖父の代に設定された古い抵当権が残っています。どうすればよいですか?

A. 数十年前に設定され、抵当権者の会社がすでに存在しないといったケースでも、供託などの方法で抹消できる場合があります。状況により手続が大きく異なりますので、ご相談ください。

Q. 抵当権が残ったままでも固定資産税は変わりませんか?

A. 変わりません。ただし、売却や相続のときに手続が必要になりますので、早めの抹消をおすすめします。

Q. 法務局に行かずに手続できますか?

A. 郵送やオンラインでも申請できます。

当事務所にご依頼いただく場合

ささ司法書士事務所では、抵当権抹消登記はもちろん、住所変更登記や相続登記が必要なケースもまとめてお引き受けします。お見積りは無料です。お気軽にお問い合わせください。

執筆:司法書士 笹 栄久(ささ司法書士事務所)

関連記事